日本のボクシングファンにとって最も衝撃的だった試合とは?

これまで数多くの名勝負がありましたが、日本のボクシングファンにとって一番衝撃的だった試合は、1990年2月11日に日本の東京ドームで行われた、マイク・タイソン対ジェームス・ダグラスの一戦でしょう。 誰もがタイソンのKO勝ちを信じて疑わなかったこの試合、タイソンは10ラウンドでKO負けを喫してしまいます。プロ転向後の初黒星であり、所持していたWBA・WBC・IBFの3団体統一ヘビー級王座を失ってしまいます。ダグラスの強烈な右アッパーをくらい、右フックと左ストレートの連打を受けてのダウンシーンは、日本だけでなく世界中に衝撃を与えました。 まさに、ボクシングの歴史が変わった瞬間でした。
ノックダウン
タイソンは1988年3月21日にも、東京ドームでトニー・タッブスを相手に防衛戦を行っていますが、このときはタイソンの2ラウンドKO勝ちでした。日本のファンには、この試合のKOシーンのイメージが強いので、タイソンの敗北はなおさら衝撃的でした。そしてこの後、タイソンの人生は狂っていきます。 1991年にレイプ事件で逮捕され、刑務所へ収監されます。復帰後、1996年にWBC世界ヘビー級タイトルとWBA世界ヘビー級タイトルを獲得し、再び統一王者になりましたが、同じ年の11月にイベンダー・ホリフィールドにTKOで敗れてタイトルを失います。さらに1997年に行われたホリフィールドとの再戦では、相手の耳を噛んで失格負けとなり、1年間のライセンス停止処分を受けました。その後も、膝の靭帯断裂や器物損壊容疑での逮捕などのトラブルが続き、ついに2005年に引退となります。 そして2011年には、国際ボクシング殿堂への殿堂入りを果たしますが、タイソンの人生の分岐点は、この1990年の試合であるといえます。